仕事で使用する多種多様な書類や道具をキャビネットに収納している会社は多いのではないでしょうか。同じ種類の書類をファイルやボックスに整理したり、道具を引き出しに収納したりしていても、「何か使いにくいな…」と感じることはありませんか?それは使用頻度が違うものが混在しているからかもしれません。
ちょっとした整理・収納の工夫で業務はかなり効率化します。整理整頓された状態は、経済面にも精神面にも多くのメリットがあります。今回は整理好きスタッフ監修のもと、オフィスにある大型キャビネットを想定して、すぐに実践できる整理・収納の秘訣をお教えします。
使用頻度とは、「どのぐらい使うのか?」という基準で、「毎日使う」「2~3日に1回使う」「週1回程度使う」「月1回程度使う」「年1回程度使う」に分かれます。例えば、会社で使用する印鑑は何種類もあり、重要な業務で使う会社実印は毎日使用しませんが、荷物の受け取りに使用する認印は1日に何度も使用します。
使いにくいと感じるキャビネットや探すのに時間がかかっているモノがあったら、今収納している書類や道具を一度すべて取り出し、先ほどの基準で使用頻度別に分類します。これをやってみると、「実は使用頻度の高いモノの方が置く場所が決まっていなかった」ということもありますし、中には捨てても良いモノが見つかることも多いです。ここまで出来ればあとは収納場所を決める作業に移ります。
収納したい場所の形状を確認し、どこにしまうと出し入れしやすいか、定位置を使用頻度ごとに決めます。それぞれの特徴を理解して、探す時間・取り出す時間の短縮による業務効率化に繋げましょう。
キャビネットを中段・下段・上段に分けて使うことを考えます。
上段・・・背伸びをしないと届かないため、踏み台が必要になる場所です。「年1回程度使う」モノや軽いもの、例えば保管年数が決まっていて見ることはないが保管が必要な書類やティッシュペーパーなどの日用品をしまいます。
中段・・・目線から腰高までの高さは、立っているそのままの姿勢で取り出せるため最も使いやすい場所です。「毎日使う」「2~3日に1回使う」「週1回程度使う」もの、例えば文房具や受領印、封筒などをしまいます。
下段・・・しゃがんで物が取り出せる場所です。「月1回程度使う」ものや重いもの、例えば毎月の帳票ファイルや掃除機などをしまいます。
奥行きがあるキャビネットでは、引き出しのあるボックスを利用すると便利です。すべてを引き出さなくても取り出せる手前側に使用頻度の高いものをしまい、奥はストック品を入れます。引き出しにはそれぞれ「何が入っているか」を記載しておけば探す手間を省くことができます。
キャビネットの扉には、観音扉と引き戸が多く採用されています。扉の種類によっても使いやすい場所・使いにくい場所が変わってきますので、それぞれの扉を理解した上での収納が有効です。
観音扉・・・中央部分から開くので、真ん中が一番出し入れしやすい場所といえます。両サイドは扉が開くとデッドスペースになります。
引き戸・・・少し引くだけで取り出せる扉の両サイドが使いやすく、中心に行くほど使いにくくなります。
よく使うものほど取り出しやすい位置にしまうと、1日に何度も行われる出し入れの時間が短縮できます。一度会社のキャビネットをチェックしてみましょう。あまり使わないものが中段に置かれていませんか?まずは使用頻度を整理して、使いやすい中段を有効活用して収納することから考えてみるのはいかがでしょうか。